声に出して読みたい日本語

最近の若者は語彙が少ないと言われる。確かに、若者が使う語彙は少なくなったかもしれない、しかし逆に若者によって創造されていく言葉もある。それらは過去に使われていた意味を離れ、再度現実に使用されやすいように変更されていく。ここでは最近集めた若者に使われている便利ワード情報を記録していきたい。

  • 寿司

    狭義の寿司はすし飯の上に生魚の切り身をのせたものだが、最近の若者言葉では意味が拡張され、寿司という言葉はほぼ「ご飯」と同義であると言ってよい。つまり、「寿司が食べたい」というのは「ご飯を食べたい」という意味になる。「寿司」という言葉が狭義の寿司なのか広義の寿司なのかは文脈に依存する。

  • 最高・便利・いい話

    とりあえず反応に困ったときに使われる言葉。旧世代における「なるほどですねー」と同義。

  • おじさん

    老害のエイリアス。最近は老害よりもこちらのほうがよく使われる。

  • 2048・Threes

    そういうゲームがある。2048はソースが見れるため、魔改造されたゲームが大量に出回った。

  • パソコンサンデー

    Rebuild というTech系のポッドキャストの愛称。毎週日曜日に更新されているので、1980年代に同じく日曜日にやっていたテレビ番組からとってきている。現代の若者は平成生まれなので本物のパソコンサンデーのパの字も知らないはずである。現代の若者はこのポッドキャストから老害知識を入手している。

  • 拝承

    もともと「了解しました」という意味だったが、若者によって取り込まれた結果、いろいろな意味に派生してきているが、だいたい「はい」と同じ感覚で使われている。もともと日立用語であったがが外部に広まってしまった。言外にSIerがやっていそうなエクセル仕事をやっていて辛いという雰囲気を漂わせるときによく使われる。

    日立用語ではないと思うが、Opportunity を略した「オポ」という言葉が元日立の人から出てきたため、一瞬だけ流行った。その他の「毎々お世話になっております」のような言葉は、なかなか流行らない。

  • 便利情報

    文字通り、便利な情報のこと。インターネットで見つけた、明日から使える便利な情報を指すこともあれば、一生使わないような情報を皮肉って便利情報と呼ぶこともある。

  • 最新なんとか情報です

    Twitterに投稿される、今これから食べようとしているご飯画像のこと。

  • 浅草の白金台

    本来浅草でやるようなイベントを白金台でやるときに、このように表現することで、あたかも浅草でやっているように錯覚させることができる。場所を入れ替えることで他にも応用することができる。

  • 老害

    古くは仕事に害をなす旧人類を指していたようだが、現在では害の部分がなくなって、古いやり方やツール、慣習に固執しているさまを指す場合が多い。また、そのように振舞っている状況のことを、老害臭がするのように表現することもある。

  • 人権

    若者にとって人権とは既に与えられたものである。よって、彼らが使う人権という言葉はいわゆる人権を指すものではない。大抵の場合において、人権とはある特定の行為において一定の基準を満たされているかどうかを指す。また、多くの場合人権の獲得が不可能、または難しいような基準が設定される。(例: TOEICは満点じゃないと人権がない)

  • 新人類

    自分には理解できない感覚を持っている人を指す。(例: 「こういう設定するの、新人類って感じがしますね」)

  • 制限コンピュータ

    設計がGPLでライセンスされていないハードウェア一般。

  • 邪悪な不自由ソフトウェア

    GPLでライセンスされていないソフトウェア一般。

  • 自由ソフトウェア運動

    最近の大抵の若者は夏休みにラジオ体操に出ずに、この運動をしている

  • 実用的

    実際に使われているもの。いくつかの企業で使われていれば実用的のようである。Lispは実用的な言語ではない。


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